creconte’s blog

映画感想多め。本・マンガ・ドラマetc.扱う予定。歴史・政治・社会・サスペンス・アングラ・官能等

2023-01-01から1年間の記事一覧

ザ・セル(2000)

統合失調症(統失。映画内では当時の「分裂病」の用語が字幕内で用いられていた)患者の「心の中」に治療者が入り込んで治療を試みる、サイコSF。 大型の医療治験施設で、「神経伝達装置」という特殊な機械を用いて脳内の意識を操作し、治療者(1,2名)が統失患…

遠い夜明け(1988)

1970年代、南アフリカの黒人活動家スティーブ・ビコと黒人解放運動、同白人雑誌編集長ドナルド・ウッズの奮闘と友情を描いた物語。 後半は、ウッズの亡命逃避行サスペンスの構成となっている。 Steve Biko - Wikipedia Donald Woods - Wikipedia 先日は、米…

「山守親分」観の変化

前回の記事を書いていて、たまたま触れた「仁義なき戦い」のことを思い出した。 自分の中で最近起きた、「山守親分」観の変化について書いてみたい。 小林秀雄が芥川龍之介「乃木将軍」について書いた文章で、「若い時は大変感銘を受けたのを覚えているが、…

レッド・スパロー(2018)

将来を嘱望されたバレリーナドミニカが、陥れられた怪我の負い目を契機に、叔父の手引きでロシア情報機関の女スパイとして歩んでいく。 「真」と「偽」がかようにグルグルと分からなくなっていく体験は珍しい。 が、ロシアという諜報国家、今では「フェイク…

ユダ&ブラック・メシア(2021)

1960年代の米黒人運動政党ブラック・パンサー党の若き創設者フレッド・ハンプトンを、「裏切者」(FBI情報提供者)ビル・オニールを主人公に描いた物語。 恥ずべきことにというべきだろうが、筆者は米公民権運動の歴史の詳細に立ち入ったことはほぼなく、ブラ…

奪われし純潔(2016)

「官能系と思い込んで見たら裏切られた」第3弾。笑 邦タイトルにあっさり釣られる筆者のような観客は実にチョロい。w 親とケンカして家出した女の子が、ダメ男彼氏の借金に巻き込まれて、街娼の姉の「処女売り」斡旋に迷う、ドン底青春ドラマのドイツ映画。 …

アン・ハサウェイ裸の天使(2021)

「官能系と思い込んで見たら裏切られた」第2弾。笑 その要素も無論ないではないけど。 邦タイトルにまんまと釣られたパターン。 「全然ちゃうやないかい!」と。w 原タイトルは「Havoc」。 「破壊、大荒れ、大混乱」(weblio)の意で、内容は原題がぴったりく…

フェア・ゲーム(2010)

イラク戦争下の米国の、実話をもとにしたインテリジェンス系サスペンスからの、圧倒的政治権力への抵抗に転じた夫婦の物語。 事態が三転四転ほどして、考えも感情もぐわーっと次々に別の所に持っていかれた。確かに傑作。 ここでは、どんな具合いで感想が転…

セックス・ドール(2017)

官能サスペンス系と勝手に思い込んで見始めたら、ヒューマン系だった。が、それなりに面白い。 ロンドンに渡ってきたフランス人のコールガールマリカは、夜毎遊び歩くなかで、街に立つ娘に声を掛けて悔い返しを試みる、謎の若者ルパートと知り合う。 不動産…

ペンタゴン・ペーパーズ(2018)

ヴェトナム戦争時の国防機密文書公開を巡っての1970年代の新聞社内外の攻防を描いた、メディア・サスペンス。 ワシントン・ポストの女性社主グラハムの視点を主軸に描かれる(原タイトルはワシントン・ポストを表す「The Post」)。 ニューヨーク・タイムズと…

ザ・インタープリター(2005)

国連を舞台にした、かなり入り組んだ国際派サスペンス。 国連通訳官シルヴィアが、深夜に忘れ物を取りに行った際に、会議場で、アフリカのマトボで民族浄化を行う独裁者ズワニ大統領の暗殺計画を耳にしたところから話が始まる。 通報を受けた米SS(要人警護を…

ワールド・トレード・センター(2006)

米同時多発テロで、崩壊したWTCの救出劇の消防隊の話ーという認識はもとからあったのだが、厳密には、「崩壊直前のツインタワーに入って崩壊に巻き込まれた警官たちを救出する、消防隊・海兵隊たちによる救出劇」だった。 もはや身動きしようのない瓦礫の下…