官能サスペンス系と勝手に思い込んで見始めたら、ヒューマン系だった。が、それなりに面白い。
ロンドンに渡ってきたフランス人のコールガールマリカは、夜毎遊び歩くなかで、街に立つ娘に声を掛けて悔い返しを試みる、謎の若者ルパートと知り合う。
不動産屋で働いていると偽ったマリカの身辺を嗅ぎ回り、ルパートは彼女の仕事も内面の葛藤も見抜いていた。
ロンドンが舞台ということだが、主人公周辺はフランス語と英語が交互に飛び交う、ボーダーの曖昧な、微妙で独特な空間を感じさせる。
トラブルの中で心の複雑な変化を登場人物が上手く演じているのが優れているのだが、ルパートの正体は今ひとつ掴みきれないものを感じた。