黒澤第3弾。
山本周五郎原作に黒澤が遺していた脚本や構想を、助監督小泉堯史が完成させた、黒澤の遺作。
長雨で川止めされている長屋に雨宿りする人々と、妻と浪々の身だが謎の手練れ、ささくれ立つ民草たちにも何くれとなく心配りを行う武士と、ひょんな出会いからその藩の剣術指南役に招かれる様子を、人情味と可笑しみを込めて描く。
主人公の寺尾聰がハマりまくっている。立ち回りの凄さに感嘆。
武士の妻に「でくのぼう」と酷評された藩士らは形無しだったが、今の大部分のサラリーマンもこれと変わらないなと思い失笑。
清涼感の残る、これも黒澤らしい一作。