creconte’s blog

映画感想多め。本・マンガ・ドラマetc.扱う予定。歴史・政治・社会・サスペンス・アングラ・官能等

ワレサ連帯の男(2013)

ポーランド映画は珍しい。当然恐らく初めて。

ワレサ(今はヴァウェンサという発音表記らしい)も世界史教科書に載っている程度の知識しかなかった。

レフ・ヴァウェンサ - Wikipedia

 

「東欧の社会主義末期」の空気感がまずよく伝わる映画だった。

ワレサは「普通の電気工」だが、労働運動にハマる過程で当局に付け狙われて何度も職場を追われ、子沢山の家で妻ダヌタが、夫を愛しながらも苦悩する様子が極めて印象的だった。

のちでいうメディアスクラムのような、西側諸国のテレビメディアなどが押し掛けて家庭を破壊し、ダヌタが激怒するシーンもあった。

 

ワレサは、「天性の労働運動家」と言えるだろう。

執拗な警察や交渉相手の当局に一歩も譲らずに、強気で迫るタフネゴシエーター振りには、確かに胸のすくものがある。

 

ワレサには、大衆運動の空気を読み誤らないだけでなく、自分以外の別の階層も、巧みに取り込む老獪さがあった。

ヨハネ・パウロ2世が「初のポーランド出身教皇」というのは聞いていた気がするが、そのことや、ポーランドが「カトリック教国」(ワレサも敬虔なカトリック信徒)であることの意味合いは、初めて呑み込めた気がした。

 

ワレサは、ノーベル授賞式には参加できず、妻ダヌタが代わりに行っているが、帰国時の税関での屈辱的な扱いは、見てるこちらが苦しくなるほどだった。

ワレサというより、「ワレサ夫妻」を主軸に描いた映画と見ていいだろう。